産後に多い不調ランキングとその改善方法

「出産したら体が戻る」と思っていたのに、実際には想像以上に不調が続く──これは多くのママが経験する現実です。赤ちゃんのお世話で忙しい毎日の中、自分の体の不調は後回しにしがち。でも、ママが健康でなければ良い育児はできませんよね。

産後の体は交通事故に遭ったのと同じくらいのダメージを受けているとも言われます。約10ヶ月かけて変化した体が、出産という大仕事を終えて回復していく過程では、様々な不調が現れるのは当然のこと。

今回は産後に多い不調をランキング形式で紹介し、それぞれの改善方法について詳しくお伝えしていきます。

産後不調ランキングTOP7

実際の産後ママへのアンケートや、整体・整骨院での相談内容をもとに、頻度の高い不調をまとめました。

第1位:腰痛

圧倒的に多いのが腰痛です。妊娠中から腰に負担がかかっていたところに、産後は抱っこやおむつ替えなど前かがみ姿勢が続きます。

主な原因

  • 骨盤の開きと不安定性
  • 腹筋群の機能低下(特に腹横筋)
  • 授乳やおむつ替えでの前かがみ姿勢
  • 睡眠不足による筋肉の回復力低下

改善のポイント 骨盤ベルトで適度に固定しながら、骨盤底筋のトレーニングを始めましょう。仰向けで膝を立て、尿を我慢するイメージで骨盤底筋を締める運動を1日10回×3セット。産後1ヶ月健診で問題なければ開始できます。

抱っこの姿勢も見直してください。赤ちゃんを体の中心に近づけて抱える、腰だけで持ち上げない、抱っこ紐のベルト位置を適切に調整する──こうした工夫で腰への負担が軽減されます。

第2位:肩こり・首の痛み

授乳時の姿勢、長時間の抱っこ、スマホで育児情報を調べる時間の増加──これらすべてが肩こりの原因になります。

特に注意したい授乳姿勢 前かがみで赤ちゃんに覆いかぶさるような姿勢は、首と肩に大きな負担をかけます。授乳クッションを使って赤ちゃんの位置を高くし、自分が前かがみにならない工夫が必要です。

簡単セルフケア 肩甲骨を寄せるストレッチが効果的。両手を後ろで組み、胸を開いて肩甲骨を背骨に寄せるように意識します。10秒キープを5回、1日に3セット行いましょう。

第3位:尿もれ

人には相談しにくいけれど、実は産後ママの約4割が経験するという尿もれ。咳やくしゃみ、笑ったときに漏れてしまう「腹圧性尿失禁」が代表的です。

メカニズム 出産時に骨盤底筋群が大きく引き伸ばされることで、尿道を締める力が弱まってしまいます。経膣分娩だけでなく、帝王切開でも妊娠中の負荷によって骨盤底筋は弱化します。

改善エクササイズ ケーゲル体操(骨盤底筋トレーニング)を習慣化することが最も効果的です。尿を途中で止めるような感覚で骨盤底筋を締め、5秒キープして緩める。最初は回数が少なくても、継続することで確実に改善していきます。

座った状態でも立った状態でもできるので、信号待ちや家事の合間など、スキマ時間を活用してください。

第4位:恥骨痛・股関節痛

出産時に骨盤が大きく開いたことで、恥骨結合部分に痛みが残るケースがあります。また、育児動作での股関節への負担も見逃せません。

日常での注意点

  • 床からの立ち上がりは、一度膝をついてから
  • 階段の上り下りは手すりを使う
  • 重いものを持つときは膝を曲げてしゃがんでから
  • あぐらや横座りは避ける

痛みが強い場合は、骨盤ベルトの使用と並行して、専門家に相談することをおすすめします。

第5位:手首の痛み(腱鞘炎)

産後特有の腱鞘炎を「ドケルバン病」と呼びます。親指側の手首が痛む症状で、抱っこやおむつ替えで手首を酷使することが原因です。

予防策具体的方法
抱っこの工夫手首を反らさず、腕全体で支える
サポーターの活用痛みが出る前から予防的に使用
抱っこ紐の利用長時間の抱っこは紐を使う
授乳クッション赤ちゃんの位置を高くして手首の負担軽減

ホルモンバランスの変化も腱鞘炎を起こしやすくする要因なので、産後数ヶ月は特に注意が必要です。

第6位:頭痛

慢性的な睡眠不足、水分不足、ホルモンバランスの変化、肩こりからの緊張型頭痛──産後の頭痛には複数の要因が絡み合っています。

対処のコツ 授乳中は使える薬が限られるため、まずは生活習慣の見直しを。こまめな水分補給、昼寝などの分割睡眠、首や肩のストレッチを意識しましょう。

どうしても辛いときは、授乳中でも使える鎮痛剤があるので、産婦人科や内科で相談してください。我慢しすぎは禁物です。

第7位:足のむくみ・静脈瘤

妊娠中から続いているケースも多いですが、産後も立ちっぱなしや座りっぱなしでむくみが悪化することがあります。

改善方法

  • 寝るときは足を少し高くする(クッションを使う)
  • 着圧ソックスの活用
  • ふくらはぎのマッサージ
  • 足首を回す運動を1日数回

静脈瘤がひどい場合は、血管外科での治療が必要なこともあるため、気になる場合は受診しましょう。

複数の不調が重なるときは

一つの不調だけでなく、腰痛と肩こり、尿もれと恥骨痛というように、複数の症状が同時に出ることも珍しくありません。これらは骨盤の歪みや筋力低下という共通の根本原因を持っていることが多いんです。

個別の症状に対処するだけでなく、体全体のバランスを整える視点が重要になります。整体や整骨院での産後ケアでは、こうした全身のバランスを見ながらアプローチしてくれます。

ちなみに東京都板橋区のときわ台駅前整骨院のような産後骨盤矯正に力を入れている施設では、単に痛みのある部分をほぐすだけでなく、骨盤の状態を評価し、根本的な改善を目指した施術を行っています。

専門家の視点で体の状態を客観的に評価してもらうことで、自分では気づかなかった問題点が見えてくることもあります。

産後不調を悪化させないために

無理をしないマインドセット

「産後の肥立ち」という言葉があるように、昔から産後の回復期間は大切にされてきました。でも現代は、産後すぐに家事や育児を一人でこなさなければならない状況も多いですよね。

頑張りすぎは禁物です。完璧な育児や家事を目指さず、手を抜けるところは抜く。パートナーや家族、時には家事代行サービスなども活用しながら、自分の体を労わる時間を確保してください。

睡眠の質を少しでも上げる

夜中の授乳で細切れ睡眠が続くのは避けられませんが、少しでも睡眠の質を上げる工夫をしましょう。

  • 赤ちゃんが寝たら一緒に寝る(家事は後回し)
  • パートナーに夜間対応を代わってもらう日を作る
  • 昼寝を罪悪感なく取る
  • 寝室の環境を整える(遮光、適温、静音)

睡眠不足は体の回復を妨げるだけでなく、痛みの感じ方を強くすることも分かっています。

栄養バランスと水分補給

授乳中は通常より多くのカロリーと水分が必要です。特にタンパク質、カルシウム、鉄分、ビタミンB群を意識して摂取しましょう。

簡単に食べられるもの:

  • ゆで卵(タンパク質)
  • チーズ(カルシウム、タンパク質)
  • 納豆(タンパク質、鉄分)
  • バナナ(ビタミンB群、エネルギー補給)
  • ナッツ類(良質な脂質、ミネラル)

水分は1日2リットル以上を目安に。授乳の前後に必ずコップ1杯の水を飲む習慣をつけると良いでしょう。

いつまで続く?産後不調

「いつになったら楽になるの?」──これは多くのママが抱く疑問です。

一般的には産後6〜8週間で体は妊娠前の状態に戻ろうとしますが、完全に回復するまでには個人差があります。早い人で3ヶ月、遅い人だと1年以上かかることも。

特に骨盤の安定には時間がかかります。靭帯を緩めるホルモン(リラキシン)の影響が完全になくなるのは産後6ヶ月頃。この時期までが「骨盤ケアのゴールデンタイム」とも言われています。

ただし、産後1年以上経っていても、適切なケアで改善は十分可能です。諦めずに、できることから始めてみてください。

自分を大切にすることが良い育児につながる

産後の不調は我慢するものではなく、適切にケアすべきものです。「母親なんだから」「みんな我慢している」という思い込みを手放して、自分の体と向き合う時間を作りましょう。

セルフケアでできることもたくさんありますが、プロの力を借りることも選択肢の一つです。体が楽になれば、心にも余裕が生まれます。その余裕が、結果的により良い育児につながっていくはずです。

赤ちゃんのためにも、そして何よりあなた自身のために。産後の体を大切にケアしていってくださいね。

タイトルとURLをコピーしました